コラム:対話を通して「人事制度」に息を吹き込むーコモレビでのチームづくりを振り返って 伊藤優

皆さん、はじめまして。

現在、コモレビのチームづくりに携わっている、伊藤と申します。フリーランスで、ベンチャー企業の人・チームにまつわるサポートをしております。



コモレビは、代表の森本さんと前職でご一緒していたご縁や、かねてからメンタルヘルスの課題に強い関心があったことなどから、2020年よりお手伝いをしています。
今日は、いまコモレビで検討を進めている「人事制度」について、少し紹介させてください。

「人事制度」検討のきっかけは、昨年実施した社内のアンケートで、

「コモレビのメンバーとして期待される行動が分かりにくい。利用者さんやチームのメンバーとのやり取りで、自分がどのように振る舞うべきか悩むことがある」
「利用者さんへより良い支援をするために自己研鑽をしていきたいが、コモレビのメンバーとして、どのようなテーマを、どこから・どこまで学ぶと良いのか、迷いが生じている」

などの声があったことです。

開所以来、コモレビには「利用者さんが主体」「対話を大切にする」といったコンセプトに共感し入職してくれたメンバーが集い、それぞれの経験や知見を活かしながら、対話を中心としたメンタルケアサービスを目指してきました。

これまでの社内研修やチームミーティングでも、「対話」や「傾聴」をはじめ、コモレビとして大切にしていきたいベースの考え方や姿勢、技法を学ぶ機会をつくってきましたが、利用者さん・職員共に人数が増えていき、さまざまなケースに出会う中で、「コモレビらしさとは何か」という疑問や迷いが生じることが徐々に増えてきました。

こうした状況の変化や働くメンバーからの声を受けて、組織づくりチームでも対話を続けてきました。


その中で、コモレビの運営会社であるソシエテのミッション「どのような境遇のひとにも、尊厳をもって生きられる場を。」の実現に向け、

「コモレビのメンバーとして望ましい判断や行動の基準とはどんなものか」

「一人ひとりにどんな役割があり、どのような経験を積んで成長をしていけるとよいのか」などを、いま一度、チームとして共有できるようにしたい、と考えました。

そのための手段のひとつとして考えたのが、「人事制度」です。

「人事制度」というと、一般的には、「人事評価や報酬を決めるためのもの」というイメージが強いかもしれません。

コモレビにおいても必要に応じ、そうした面の検討も行っていきたいと話しています。

しかし、今回の「人事制度」策定の目的はあくまで、「どのような境遇のひとにも、尊厳をもって生きられる場を。」という「ミッションの実現」であり、そのために次のような状態を実現することである…というのが、組織づくりチームでお話してきたことです。

・一人ひとりが、ミッションの実現という観点から望ましい判断、行動の基準を持ち、行動やメンバー間での対話ができるようになる

・一人ひとりが自分の能力を伸ばすことが、ミッションの実現につながる

どんなに見た目が立派な「制度」であったとしても、実際に働くメンバーにとって実践する意義を感じられない、うわべだけのものであったら、何の意味もありません。

コモレビで支援に携わる一人ひとりにとって
「この制度に基づいて考え、行動していくことがソシエテ/コモレビのミッションの実現につながる」
「自分の能力を伸ばしていくことで、コモレビの利用者さんにより役立つことができるようになる」
とイメージできるような制度にしていきたい。

そのためには、この「人事制度」をつくるプロセス自体も「対話」を大切に進めていくことが必要ではないかーそうした考えのもと、先月下旬から今月にかけて、全員と個別に対話する時間をもらっています。

その対話の場では、組織づくりチームでいったん作成した仮案に対して意見をもらったり、コモレビをより「ミッションを実現できるチーム」にするために必要なことを相談しています。

正直なところ、日々利用者さんを訪問したり、訪問記録を作成したりと、多忙なメンバーに時間を割いてもらうことに対して、最初は少し心苦しさを覚えていました。

しかし毎回、1時間があっという間に感じられるほどたくさんの発見があり「この時間をいただくことができてよかった」と心から思うと同時に、対話を大切にすること自体が、”コモレビらしさ”のある「人事制度」につながるのではないか、とも感じています。

また、私(伊藤)自身にとっては、ひとりひとりの利用者さんを尊重し、日々研鑽に励むメンバーへの敬意をあらたにした時間でもありました。

看護師ではない私は、コモレビで利用者さんに支援を届けることはできません。
しかし、コモレビで働いてくれている看護師のメンバーが、コモレビでそれぞれの人生のミッションに資する時間を過ごせること、その先で、ひとりひとりの利用者さんが「尊厳をもって生きられる」ようになり、コモレビのミッションが実現すること…そのプロセスに少しでも貢献できたらとても嬉しい、と思っています。

コモレビの「チームづくり」、この後の経過についても、お話させていただける機会があるとよいなと思っています。そのときを楽しみにしています。