M.O(看護師)

看護師・保健師・公認心理師
東京都立松沢病院にて救急トリアージ病棟、医療観察法病棟に勤務。2021年より現職。
静岡県立大学卒

入職理由を教えてください

前職は精神科病院の病棟勤務でした。日々、急性期対応に追われる中、もっと早い段階での介入や保健予防的な関わりができたら、ここに来られる方々の「いま」は、また違ったものになったのではないかと考えるようになりました。

プライベートでも、仕事へのストレスから不調をきたす友人の相談に乗ったことや、働き盛りの身内が若くして亡くなったこともあり、困ったときや不安なときに気軽に使える対話型メンタルヘルスサービスであるコモレビに興味を持ち、自分も何かできたらと思って入職しました。

今の仕事のやりがいは何ですか?

利用者さんの層はさまざまで、一人暮らしで話し相手がほしい方、仕事終わりに対人関係を相談したい方、考え方のくせを変えてもっと楽に生きたい方など、ニーズも多様です。

病院勤務時代は強制入院が多かったこともあり、本人が必要性を感じてというより、周りに促されて仕方なく、という方も多くいらっしゃいました。

症状が悪化すると、疾患に覆われてその方本来の姿が見えにくくなってしまうこともありますが、保健予防的に早期に関わることができれば、その方が「どうありたいか」が捉えやすくなると思います。実際にそのニーズに応えられるかという難しさはありますが、その方にとっての幸せやよりよい生活についてご本人と一緒に考え、実現に向けた援助をできることにやりがいを感じています。

職場の魅力について教えてください

まだ入職して間もなく、迷惑をおかけしてしまうことも多々あるのですが、困ったこと、気になったことを相談しやすい雰囲気が魅力だと思います。

訪問時に「これでよかったのか」「その方にとってよりよい看護が提供できているか」と悩むことも多いですが、さまざまな経験をもつスタッフとカンファレンスで話し合えたり、助言をもらえたりするのもありがたく思っています。

新しい組織で手探りの部分もありますが、1on1で話す機会を設けてくださるなど、利用者さんだけでなくスタッフとの対話も大切に、柔軟に対応してくださいます。

また、新宿三丁目という立地で、周囲においしいごはん屋さんがあるのも魅力的です。

コモレビで実現したいこと

本当は、精神科医療や訪問看護がひまになるくらいの社会が理想的なのかなと思うこともあります。

ただ、誰にも相談できずにひとりで悩み続ける人が多いがゆえに、メンタルヘルスの問題が顕在化しにくく、表面的には何事もないようにみえるという、潜在的問題をはらむ社会は恐ろしいなと感じます。

私自身も休職経験がありますが、働いているなかで精神科を受診するハードルはそれなりに高く感じました。多くの方にとっては、もっと敷居が高いのだろうと思います。

しんどいとき、外に出るのも億劫なときに、部屋まで伺える訪問看護のスタイルなら、悩みを抱えている方たちの負担を少し減らすことができるかもしれません。

メンタルケアがもっと身近でアクセスしやすいものになる一助となれたらと考えています。

どんな人と一緒に働きたいですか?

看護をするうえで私が大切にしていることの一つに、「主観的幸せ」というものがあります。

「幸せ」自体が漠然としたものですが、私が思い描く幸せと、利用者さんが思い描く幸せは、重なる部分はあるかもしれませんが、おそらく別のかたちをしていると思います。

疾患による影響等で、幸せのかたちや、希望する生活が見えづらくなることもあるとは思います。だからこそ、対話を通してその人にとっての幸せを一緒に模索していきたいと考えています。

自分にとっての幸せは何か、相手にとっての幸せは何か。曖昧さを楽しみ、各々の価値観を大切に尊重し合える方と働けたら嬉しいです。

オススメの本・映画

本:三浦しをん『舟を編む』、三浦しをん『きみはポラリス』、彩瀬まる『さいはての家』

映画:タナダユキ(監督)『100万円と苦虫女』、新海誠(監督)『言の葉の庭』、篠原哲雄(監督)『深呼吸の必要』