「ソシエテ・マガジン」配信のご案内
ソシエテでは、「どのような境遇のひとにも、尊厳をもって生きられる場所を」をミッションに掲げて、精神科訪問看護サービス「コモレビ」を中心に活動を続けています。
精神科訪問看護をはじめ、メンタルヘルス領域で支援に携わる方と学び合い、協働する場をつくっていくために、メールマガジン「ソシエテ・マガジン」をスタートしました。
メンタルヘルスに関する注目トピックや書籍・論文、精神科訪問看護の支援事例の紹介や、当社主催のイベント(読書会、トークイベント、採用説明会など)のお知らせなどをお届けしています。
※月に1〜2回のペースで無料配信しています。
「ソシエテ・マガジン」配信内容のご紹介
1)精神科訪問看護での働き方や支援事例
ソシエテが運営する精神科訪問看護サービス「コモレビ」で働くスタッフの1日や、「対話」を大切にした支援を実践するための社内での研修の様子をご紹介しています。
精神科訪問看護「コモレビ」で働くスタッフの1日
はじめての精神科訪問看護―コモレビでの新人研修の流れ
2)読書会や映画上映会等のイベントお知らせ&開催レポート
映画『プリズン・サークル』上映会
・2023年04月30日(日)武蔵野プレイス
受刑者同士の対話をベースに犯罪の原因を探り、更生を促す「TC(Therapeutic Community=回復共同体)」というプログラムを行う、官民協働の刑務所「島根あさひ社会復帰促進センター」にて、4人の若者を追ったドキュメンタリー映画「プリズン・サークル」の上映会を実施します。
映画上映後には、休憩時間を挟んで、少人数グループに分かれて参加者同士でのグループ対話の時間を設けます。
読書会:中井久夫『こんなとき私はどうしてきたか』
・2023年01月26日(木)zoomにて開催
統合失調症やPTSDの治療・研究、精神科看護師の育成などに取り組み、日本を代表する精神科医の一人と知られ、2022年8月に惜しまれつつこの世を去った中井久夫氏が、ある病院の研修会で話した内容をまとめた本です。
はじめて出会った時、暴力をふるわれそうになった時、退院が近づいてきた時、患者さんにどんな言葉をかけてきたか。臨床現場での著者の実践と言葉が詰まった一冊です。
読書会では、まず参加者からひと言ずつ本の感想を述べてもらった後、フリートークを行いました。参加者からは、
「精神科を受診する患者さんに『一生に何度もない、大事なときである』と声かけすることなど、支援者として考えさせられた」
「支援者は同じようなケースを日々見ているとしても、患者さん本人にとっては初めての体験であるということを、毎回支援者が思い出さないといけないと思った」
「自分の仕事のあり方に中井久夫先生の深い考え方をいかしてケアしていきたい」
などの声が聞かれました。
読書会:小川公代『ケアの倫理とエンパワメント』
・2023年3月20日(月)zoomにて開催
イギリスを中心とする近代小説の専門家の小川公代氏が、ヴァージニア・ウルフ、ジョン・キーツ、トーマス・マン、オスカー・ワイルド、三島由紀夫、多和田葉子、温又柔、平野啓一郎などの作品をふまえ、〈ケアすること〉の意味を新たな文脈で探った論考です。
この本で扱われる「ケアの倫理」とは、アメリカの倫理学者で心理学者のキャロル・ギリガンが初めて提唱し、それを受け継いで、政治学、社会学、倫理学、臨床医学の研究者たちが数十年にわたって擁護してきたものです。
読書会では、精神科訪問看護などメンタルヘルスの領域で活動されている支援職の方をはじめ、対話やケアについて考えたいという参加者の方と一緒に本書を読みながら、この「ケアの倫理」について考えました。
著者の小川さんにもご参加いただいた読書会当日は、自己紹介の後、参加者からひと言ずつ本の感想を述べてもらい、それからフリートークを行いました。参加者からは、
「これまでの白人中心・男性中心主義に拮抗するものとして『ケアの倫理』があり、とはいえ感情や共感があればいいというものではなく、思考や理屈があった上で整理することも大切だという、そのあわいにいることが印象的だった」
「医療現場でも患者さんと対峙して、ヒアリングしてさまざまなことを聞いてからしかその人のことを判断してはいけないのではないか」
などの声が聞かれました。
株式会社ソシエテについて
ソシエテは、
「どのような境遇のひとにも、尊厳をもって生きられる場所を」
というミッションを掲げ、
(1)「世の中にある不条理や不公正を生み出す『構造』の解消・是正」、
(2)「『負』の社会構造や境遇に苦しむ方に対する尊厳の回復機会の提供」
に取り組んでいる社会的企業です。
医療、看護、福祉などのそれぞれ専門性を有する支援のプロフェッショナルと、政策・経営・マーケティングなどのインパクト創出のプロフェッショナルが、社会課題の解決に向けて協働しています。
2018年7月に創業し、これまでは医療・福祉・公衆衛生領域の企業やNPOに対するコンサルティングとアドバイザリー業務を行ってきました。2021年より精神科訪問看護サービス「コモレビ」のサービス提供を開始しました。
対話を重視した精神科訪問看護「コモレビ」について
コモレビは、
「精神障害に悩むすべてのひとのための訪問型のメンタルケア」
というコンセプトのもと、利用者さんとの「対話」を重視し、一人ひとりの「ありたい姿」を共に描きながら、その実現に向けたさまざまなサポートを提供しています。
2021年4月に精神科特化の訪問看護ステーションとして事業所を開設し、100名以上の方にご利用いただいております。新宿駅徒歩5分の場所にオフィスを構え、現在10名の看護師がサービスの提供にあたっています。
「退院して地域での生活が始まったばかりの方」から、「職場と家の往復だけで悩みを打ち明ける相手がいない方」まで、若年層や就業世代の方のメンタルケアを中心に、予防医療的な介入によって精神疾患の重症化、患者さんの孤立化などを防ぐことを目指しています。
そのため支援のあり方としても、服薬や生活の支援だけにとどまらず、悩みごとの共有から認知行動療法まで、それぞれの利用者が抱える課題に対して、さまざまな形での支援・コミュニケーションを行なっています。
「コモレビ」サービスサイト:https://comorebi.me/
コモレビのスタッフ
森本真輔:株式会社ソシエテ代表取締役
東京大学教養学部卒業後、野村総合研究所、ローランド・ベルガーの2つの戦略コンサルティング会社に勤務し、医療・福祉関連のプロジェクトに多数従事。その後、医療系メーカーのアフリカ子会社代表、国内のひきこもり・不登校問題に取り組む福祉系スタートアップの共同代表を経て、ソシエテを創業。2021年より「コモレビ」のサービスをスタート。
谷澤早紀:コモレビナーシングステーション管理者/精神看護専門看護師/保健師/公認心理士
京都府立医科大学卒業後、東京都立松沢病院に勤務(精神科救急、急性期)。管理者としてコモレビに参画。東京女子医科大学大学院看護学研究科修了(看護学)