森川すいめいさんをお招きし、オープンダイアローグ入門体験会を開催しました

3月15日(日)、コモレビでは精神科医の森川すいめいさんをお招きし、「オープンダイアローグ入門体験会」を開催しました。

今回は、もともと社内スタッフ向けの学びの場として企画していたものでしたが、せっかくの機会をよりひらかれたものにしたいと考え、公開研修会としました。結果、社外からも、10名近い支援職の方にご参加いただき、対話を通じた支援に関心を持つ方々とともに、オープンダイアローグの考え方と実践にじっくり触れる一日となりました。

オープンダイアローグは、困難を抱える本人と、その人を支える家族や支援者などが、ひとつの場で対話を重ねていく実践です。コモレビでも、対等でひらかれた対話を続けることを大事にしており、そのエッセンスを日々の訪問支援にも活かせるよう学び続けています。今回の体験会は、そうした実践の土台をあらためて見つめ直す機会でもありました。

当日はまず、オープンダイアローグがどのような背景から生まれ、どのような考え方のもとで発展してきたのかを学びました。そのうえで、参加者同士でグループをつくり、実際に対話の場を体験しました。知識として理解するだけではなく、その場に身を置きながら、言葉を聴くこと、沈黙を待つこと、複数の応答が生まれることの意味を感じる時間になったように思います。

参加者の声① 支援者の姿勢や関係性を問い直す学び

参加者アンケートでは、対話の技法そのものだけでなく、その前提にある支援者の姿勢や関係性について、多くの学びが寄せられました。

「支援者が利用者の世界に入り、お話を聞かせていただいているという姿勢について学び直すことができた」
「権力をもっている側が、対等になるための枠を権力を使ってつくる、という話が印象に残った」
というような声があがりました。

対話とは単に“話を聴く技法”ではなく、支援者と当事者のあいだにある非対称性を見つめながら、それでも対等さに近づこうとする営みであることを、あらためて考えさせられました。

参加者の声② 安心して話せる「場の構造」の大切さ

実際の体験を通して、

「ある程度の枠が設定されているからこそ、自分も話しきることができた」
「リフレクションを聞いて、自分の話をきいてもらえたという実感や、新たな視点を得ることができた」
といった感想も寄せられました。

また、「相手の話を遮らないこと」「沈黙を内的会話の時間として活かすこと」「話す人の軸をぶらさないことが話しやすさにつながる」といった声もあり、丁寧に背系された場があるからこそ、対話が深まっていくことを実感された方が多かったようです。

参加者の声③ 訪問看護や日々の実践にどう活かすか

今回の学びは、オープンダイアローグそのものへの理解にとどまらず、日々の実践への接続としても受け取られていました。

「利用者から『◯についてどう思うか』と聞かれたとき、その背景を想像しながら対話をしたい」
「利用面談のような初回の場面でも、より安心して話してもらうための配慮を見直したい」
「今後の訪問看護での1対1の対話でも使える考え方だと思った」
といった声からは、参加者の皆さまがそれぞれの現場に引きつけながら学びを深めていたことがうかがえます。

最後に

支援の現場では、どうしても答えを急いだり、支援者側が話を整理しすぎたりすることもあります。しかし今回の体験会を通して、相手の語りを急いでまとめず、その人の言葉が立ち上がってくるのを待つこと、そして対話が続いていくための場を丁寧につくることの大切さを、あらためて共有できたように感じています。

コモレビではこれからも、利用者さん主体のケアや、尊厳を大切にした対話について学び続けていきたいと考えています。今回の体験会が、ご参加いただいた皆さまにとって、それぞれの実践を見つめ直すきっかけになっていれば嬉しく思います。

今後もこうした企画を開催していく予定です。関心に沿った内容のものがあれば、ぜひ参加いただけますと嬉しいです。