はじめての精神科訪問看護―コモレビでの新人研修の流れ
「訪問看護師になって地域で働いてみたい」
「精神科訪問看護に興味があるけれど、経験したことがないから不安」
「支援に携わるまで流れをイメージしたい」
この記事は、「精神科訪問看護」の仕事にご関心のある方、これから経験してみたいという方に向けて、株式会社ソシエテが運営する精神科訪問看護「コモレビ」での新人研修の様子をご紹介します。
ソシエテで働くスタッフには、もともと訪問看護の経験がない方も多くいらっしゃいます。
この記事では、入職前から約1ヵ月、座学での研修や先輩スタッフの訪問同行、自分が担当者となって利用者さんへの支援をスタートするまでの流れを、スタッフの声とともにお届けします。
1. 採用から入職まで
事前に配布された参考書籍を読んで、訪問看護について学びます。
同じ時期に入職する人がいる場合には、入職前に顔合わせを行うこともあります。
新人スタッフのコメント(精神科訪問看護未経験からの入職)
「どのような境遇のひとにも、尊厳をもって生きられる場を」というソシエテの理念に強く共感し、ここで働きたいと思っていたので、純粋に入職することが楽しみでした。
一方で、訪問看護の経験がもともとないため、業務に対しての不安や、新しい人間関係への不安もありました。
しかし、入職前に顔合わせをする機会があり、ソシエテのスタッフがいい方ばかりだと実感しました。業務面の不安はあるけれど、この人たちと一緒なら、きっと大丈夫だろうと思えました。
2. 入職1日目:オフィスでの研修
目標 ✓精神科医療福祉に関する理念や法制度の概要を学ぶ ✓支援に必要な制度・仕組みを(精神科訪問看護、自立支援医療など)学ぶ ✓コモレビが大切にしている支援の考え方や、利用者さんとの関わり方を知る ✓利用者さんを取り巻く環境をイメージできるようになる |
初日は、座学で、精神科訪問看護の仕組みや、利用者さんを支援するコモレビの役割について学びます。また、日々の業務で使用するツールの使用方法についても説明があります。
新人スタッフのコメント
制度について、学ばなければいけないことが多くあると実感し、とても勉強になりました。また、前職では使用しないツールも多く、一から教えていただけたのがありがたかったです。一日目の新人研修後、数回同行訪問をして、現場を見てから再度研修もしていただいたため、現場で実際に疑問を持ったことも交えて、制度について質問しながら学ぶことができました。
3. 入職2日目~約1ヶ月
目標 ✓利用者さんとのコミュニケーションに慣れていくこと ✓面談から利用契約に至るまでの一連の手続きが担当できるようになること ✓日々の支援について、内省する方法や習慣を身につけること |
同行訪問
入職して1〜2週間は同行訪問を行い、先輩の訪問の様子を見学します。
慣れてきたら、先輩が新人の訪問に逆同行(新人が主体となり、先輩が訪問に同行すること)をします。
新人スタッフのコメント
訪問看護の経験がなかったので、利用者さんとの関わり方や、40分という決められた時間の中でのお話の進め方など、最初は難しさを感じることもありました。
しかし、同行訪問の行き帰りに、先輩に支援について個人情報に配慮しつつご相談させてもらったり、逆同行で利用者さんとのコミュニケーションについてもフィードバックをもらえたりしたので、1人で訪問できるようになりました。
また、同行訪問の移動時間中には先輩と趣味の話などをすることもあり、先輩との距離を近づけることもでき、相談もしやすくなりました。
独り立ちした際には、利用者さんとのコミュニケーションの中で、利用者さんに育ててもらうような場面もありました。
利用面談・初回訪問
利用面談とは、利用者さんが契約に至る前の面談です。
新規利用者さんの初回訪問では、利用契約を同時に行うことが多いので、契約の一連の流れを一人で担当できるようになる必要があります。
利用面談・初回訪問では、利用者さんに制度・保険の仕組みをご説明することや、悩みや不安に対するコミュニケーションが重要になります。
はじめのうちは、先輩が行う利用面談の様子を見学しながら学びます。同行訪問と同様に、慣れるまでは先輩が逆同行してくれるので、じっくり練習することができます。
新人スタッフのコメント
契約書は文面が堅く、そのまま読んでしまうと分かりづらくなってしまうため、柔らかい言葉に変換しながら説明しなければいけません。しかし、実際に分かりやすく説明するのは難しく、オフィスにいる同期スタッフと一緒に、先輩にアドバイスをいただきながら契約書を読み合って練習をしました。
電話対応
オフィスに戻れるときには、既存の利用者さんや、新規の利用者さん、クリニックなどの関係機関との電話対応も行います。
新人スタッフのコメント
電話対応については、その場にいる人と利用者さん役と看護師役に分かれてロールプレイをしながら練習をすることができたので、段々とできるようになりました。
オフィスにいる時間では、自己学習の時間を多く取ることができました。ソシエテのオフィスには様々な本が揃っているため、認知行動療法について学んだり、カルテに目を通しながら勉強できたりしました。
4. まとめ:コモレビの新人研修
コモレビの新人研修では、利用者さん一人ひとりに合った支援を行うために、訪問看護スタッフが身につけるべき知識や考え方、利用者さんとの対話のあり方などを学んだ上で、スタッフ一人ひとりが自分の課題や今後の支援について「内省する力」を身につけることを大切にしています。
訪問前後やオフィスで過ごす時間では、先輩スタッフとの対話を通して、日々の訪問で感じたことを言語化し、課題や対応を検討して次の支援に活かしていく習慣づくりをサポートします。
支援についての相談から他愛のない雑談まで、先輩や同僚と日頃から気軽に話すことができる、心理的安全性の高い環境づくりを心がけています。